心を動かされる瞬間は、一期一会で

(2023/02/09のメモより)

 最近の自分が模型を買うのは、少々落ち込んだときに買うことが多い。今日もそんな日だった。買ったのはタンク貨車としんがり貨車。前々から買おうかな、とは思っていたのだけれども、今日、ふいに買ってしまった。

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 でも、そこに「感動」はあっただろうか。子どもが我慢してお小遣いを一生懸命貯めて、ようやく欲しい車両を買えたときの感動。ケースから車両を取り出して、その精巧なモールドに心を打たれたときの感動。いざそれを線路に乗せて、走らせたときの感動・・・。そういった様々な「鉄道模型の感動」を私は、忘れてしまったような気がした。

 そんなことが頭に浮かんで落ち込んでいたけれども、いざ貨車たちを連結させて走らせたら、良いこともあった。どんなことだったかというと、タンク貨車が少々オーバースケールで、多少の大らかさを感じたことだ。現代のNゲージはきっちり1/150の縮尺で作られているのだと思っていたのだけれども、このタンク貨車は少々オーバースケールだった。現代の鉄道模型に「大らかさ」はまだ息を切らしていなかったんだなぁ、と感じ、とても心があたたまった。車種もメーカーも、実物に対する解釈も様々である車両たちを、連結器という手を結ばせて仲良く走らせられるのも、「鉄道模型の感動」なのかもしれない。

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 今日感じたそれらの感動も結局、時が経つにつれていずれかは薄まってゆくような気がしてしまう。でも、それはそれで良いのかもしれない。心を動かされる瞬間は、一期一会だからこそ美しいのだと思う。