「銀河鉄道の夜」の機関車について

 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」という作品がありますが、物語中に登場する列車の牽引機について少々・・・。

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 「銀河鉄道の夜」に登場する鉄道は軽便鉄道みたいです。物語中では、

“気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、窓から外を見ながら座っていたのです。”

と書かれています。

 宮沢賢治の出身地にある軽便鉄道といえば岩手軽便鉄道(インターネットで少々調べてみると、釜石線の前身らしい)ですが、こちらのサイトの写真を見ると、3種類の蒸気機関車が写っています。

https://ihatovstn.jp/old-photo/railway/

おそらく一番先頭は「くろがねのあひる」で有名なボールドウィン、二番目はコッペル、三番目は雨宮ですね。3両の中で、「銀河鉄道の夜」のモデルとして一番有名なのはおそらく「くろがねのあひる」ですが、コッペルが引く銀河鉄道も、雨宮が引く銀河鉄道も魅力的だなぁ・・・と思います。自分は雨宮が結構好きなので・・・。

 また、物語中ではこのようにも書かれています。

“「それにこの汽車石炭をたいていないねぇ。」ジョバンニが左手をつき出して窓から前の方を見ながらいいました。

「アルコールか電気だろう。」カムパネルラがいいました。”

銀河鉄道」の列車はアルコール焚きか電気で動いているみたいですね。

 そして、「銀河鉄道の夜」についてインターネットで調べていたところ、こちらのサイトを見つけました。「プラネタリウム番組 銀河鉄道の夜」の設定資料です。この番組は、私が小さい頃に見た記憶があります。

http://www.gingatetudounoyoru.com/settei/kisya.html

真ん中の機関車が番組中に登場する機関車ですが、物凄く素晴らしいデザインですよね。ナローの「くろがねのあひる」をサブロクの小型機級の大きさに落とし込んでいます(実際のデザインはナローかもしれませんが)。さらに、ボールドウィンのデザインの良さを活かしつつ、ランニングボードを曲線的にしたり、屋根のRを深くしたりすることで、柔らかいデザインになっています。色合いも幻想的でものすごく素敵ですね。Cテンダーは実物の例が少なく、デザインをまとめるがとても大変な題材だと思われますが、この(自由形の)Cテンダーはとても素敵な汽車だなぁと思います。

 ここまで書いてきて、自分もCテンダーを作りたいなぁ・・・なんて思いました。デザインの様式は雨宮風で。少なくとも、イラストは描いてみようかなぁ・・・。